SEOにおけるキーワード選定の重要性とやり方

SEO戦略を設計するにあたり、キーワード選定は必須の工程です。

後工程のサイト構造決定やコンテンツ作成、サイテーション獲得など、あらゆる施策の基盤にキーワードはあります。

このキーワード選定について、重要性や方法を解説しています。

前提:SEOにおいてキーワードとは

SEOでは「検索意図に応えるコンテンツを返すこと」が原則です。

ユーザーは何らかの悩みやニーズを持って検索を行います。その意図に対し、必要十分なコンテンツを返すことでユーザーの検索体験は向上し、再び検索という行動を行うようになります。

こういった世界観をGoogleを始めとする検索エンジンは望んでおり、意図に合うコンテンツの順位を向上させます。

このプロセスの中で、キーワードは「検索意図を最も直接的に表す要素」であるため、分析対象として重要度が高いのです。

キーワード選定が重要な理由

このようにキーワードの重要度は高いため、Webサイトの方針を考えるにあたり、キーワード選定を行い、方針を決めることは重要です。

他にも、下記のような理由があります。

効果予測のために定量的な判断を行うため

ニーズに応えるコンテンツを作成できるとしても、そのニーズを抱くユーザー数が少なければビジネスインパクトは薄くなります。

各キーワードがどれくらい検索されているか定量で見ることで、重要度の高いセグメントを把握したり、予測を行うことができます。

検索されるかどうか・需要があるかどうか判断するためにも、キーワード選定は欠かせません。

競合に勝てる可能性を見極めるため

SEOに取り組む場合、必ず競合サイトとアクセスを取り合う・検索上位を取り合う形になります。

ここで押さえておかなければならないのが、競合サイトに勝てるかという問題です。

自社のサイトと比較して競合サイトの専門性・権威性が優れている場合、どれだけ良質なコンテンツを制作しても検索順位が上がらず、SEO流入を獲得できない可能性が高いです。

戦う前から勝ち目がないとわかる勝負は挑まないのが吉ですので、相当力を入れて取り組んで勝負になるかどうかというキーワードは、狙うべきではないでしょう。

将来的に狙うとしても優先順位を考える必要があります。

キーワード選定のやり方

キーワード選定の方法として、下記のように定量・定性双方の考え方があります。どちらかだけでなく、組み合わせて実施していくことが重要です。

  • 定量:ツールを利用する
  • 定性:ユーザーニーズから考える

定量的には、各キーワードの月間検索回数(検索ボリューム)の調査を行います。ユーザーが検索するであろう各KWの検索ボリュームを明らかにすることで、優先順位をつけることがでいます

定性的には、ユーザーニーズから考えます。ユーザーが検討していく各プロセスでの悩みや不満を明らかにすることで、検索されるであろうキーワードの多く洗い出すことができます。

以下、細かく見ていきます。

定量:キーワードプランナーを使う

最もよく用いられるツールがキーワードプランナーです。

キーワードプランナーはGoogleが公式に提供しているツールであり、キーワードごとの月間検索ボリュームを最も正確に算出できます。

本来はリスティング広告出稿に使用するツールですが、広告を出さない方でも無料で使えるため、Web担当者には重宝されているツールの一つです。

キーワードプランナー以外のキーワードツールを使う

キーワード調査に使えるツールはキーワードプランナーだけではありません。

などなど。有償のサービスを含めて数多くリリースされています。

各ツールの特徴は割愛しますが、それぞれ特徴が異なり、目的によって使い分けるべきですので、ぜひ調べながら使ってください。

定性:ユーザーニーズから考える

ユーザーニーズからのキーワード選定にはコツがあります。コツは数多くありますが、その中でもすぐに実践できるコツを3つ紹介します。

ユーザーの検索意図を分析する

「〇〇に困っているから☓☓を検索する」

キーワード選定段階で、上記のようなユーザーの検索意図も分析しましょう。

ユーザーの検索意図を分析して推測を立てることで記事の方向性が固まりやすく、ユーザーが求める理想のコンテンツを制作しやすくなります。

コンテンツの制作においてペルソナを定義するケースもありますが、架空のペルソナよりも具体的な検索意図のほうが、検索上位に表示されることが大前提なSEOでは重要度が高いです。

「なぜ検索するのか」「何を解決できたら満足するのか」といった可能な限り具体的かつ納得できる検索意図を分析するようにしてください。

他の人はこちらも検索を活用する

Google検索結果から何かしらのページにアクセスし、ブラウザバックして検索結果ページに戻ると「他の人はこちらも検索」というキーワード群が表示されることがあります。

これはその名の通り、今検索しているキーワードのあとに検索されたことがあるキーワードです。

例えば「Amazon」と検索したページで表示される「他の人はこちらも検索」にあるキーワードは、「Amazonと検索してみたけど、検索した目的(悩みの解決など)を達成できなかった人が再検索したキーワード」ということになります。

「他の人はこちらも検索」のキーワードはかなり有用であるため、ロングテールキーワード戦略で役立てられるでしょう。

キーワード選定の注意点

キーワード選定において、いくつか気をつけるべきポイントがあります。

  • ブルーオーシャンを勘違いしてはいけない
  • 検索ボリュームだけで判断しない

この2つの注意ポイントについて解説します。

ブルーオーシャンを勘違いしてはいけない

キーワードを選定する際は「ライバルが少ないキーワードを狙うべき」という選定方法が採用されることが多いです。

いわゆるブルーオーシャン戦略ですが、ブルーオーシャン戦略を採用する際はライバルの数だけに意識を向けてはいけません。

キーワード選定におけるブルーオーシャン戦略は、「ライバルが少ないキーワード」だけでなく「一定の検索ニーズがある」という条件が含まれます。

どれだけ検索上位を獲得できても、検索されないキーワードだとほとんど意味がありません。

ライバルどころか何もない土地を探すのではなく、まだ誰も手を付けていない金山を掘り当てることがブルーオーシャン戦略ですので、勘違いしないようにしてください。

検索ボリュームだけで判断しない

キーワードプランナーなど検索ボリュームを調査できるツールを活用することで、キーワードごとの検索ボリュームを調べることができます。

ですが、検索ボリュームだけでキーワードを選定すべきではありません。

検索ボリュームが大きいキーワードはライバルが多い傾向にあるため難易度が高く、コストパフォーマンスが見合わないことがあります。

ほかにも公式サイトにアクセスするためだけに検索したケースもあるでしょう。

検索ボリュームが大きいことに越したことはありませんが、「検索ボリュームが大きい」というメリットを活かすには検索上位に表示されることが必要です。

そのことを考慮した上で、自社サイトへのアクセスが見込めるかどうか考えるようにしてください。

総括:キーワード選定を軽視しないこと

キーワード選定次第でサイトの方向性・需要が決定するといっても過言ではありません。

コンテンツの品質さえ良ければいいのではなく、検索ニーズに見合った良質なコンテンツが必要とされます。

キーワード選定を丁寧に行った場合は、アクセスデータが集まるにつれてアクセスを見込めるキーワード選定の精度も高まるでしょう。

キーワード選定の精度が高まると、アクセスが集まるコンテンツを効率よく制作できるようになるため、時間を掛けてでもキーワード選定は怠らないようにしてください。

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編集部
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